Gruber(2000)
Ruling the World: Power Politics and the Rise of Supranational Institutions
- 作者: Lloyd Gruber
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2000/03/20
- メディア: ハードカバー
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これまでの国際関係論は、コヘインを中心としたネオリベラル制度論にしろ、それを批判するネオリアリズムにしろ、国際レジームが集合行為問題を解決し、ポジティムサムの状況をつくりだすことを暗黙の前提としていた。しかし、実際の国際制度は利益を得る勝者と(相対値ではなく)純損失を被る敗者を生み出すこともある。では、損失を被るはずの敗者がアナーキーな国際システム下でなぜ国際レジームへの参加を競うように求めるのか。それは、勝者側が制度の創設によって現状維持点の利得状況を変え、レジームへの参加を敗者にとって「よりまし」な状況に変えるからである。つまり、これまでの国際関係論はダールの意味での権力しか問題にしなかったが、勝者側が非決定権力を行使する状況を考慮する必要がある。
以上のモデルをNAFTAと欧州通貨共同体の事例で検証。
[論点]