ダグラス・ノース現る!

thieda2006-09-23

今日の政策過程論の授業のゲストスピーカーに、制度派経済学のパイオニアとしてノーベル経済学賞を受賞したダグラス・ノース先生がいらっしゃいました。ノース教授はボルダーで開かれているカンファレンスの基調講演のために来ていたのですが、授業の教授(エレノア・オストロムの直弟子)が知り合いで、話をしに来てくれたのでした。
http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/1993/north-autobio.html
セミナーでは、なぜ経済学を志し、制度に興味を持つようになったのかを自伝風に語ってくれました。ノース教授はバークリーで学部時代(1940年ごろ)を過ごす間にマルキストとなり、学部時代は反戦運動に打ち込んで大学の成績は平均Cよりちょっと良い程度だったそうです。その後、第二次世界大戦を経て、経済学者を志すようになって大学院に進んだとき、当時は経済発展論のような講座がなかったので経済史を専攻することにしたそうです。そして、マルキストから今度はガチガチのシカゴ派経済学を志向するようになったとか。しかし、新古典派経済学は近代以前の経済発展を説明する分析道具を持たないことに気付き、「制度」に興味をもつようになったそうです。青木昌彦教授もそうですが、マルクス経済学から新古典派を経ると制度に行き着くのかなと、なんとなく制度派経済学の出自に納得がいった気がしました。
セミナーではいろいろな質問から経済発展と政治・経済制度の話となり、経済発展のためにはオープンで競争的な政治制度が必要だというノース教授の持論に行き着いたので、「東アジアの開発独裁体制による経済発展をどうみるか」という質問をしてみたのですが、自分の英語が全く通じず。自分の日本語英語をスウェーデン人の先生に通訳してもらってようやく質問を理解してもらったのでしたorz。はーーー、だめだこりゃ。