アメリカは大丈夫?

基本的にテレビ好きなので、イタリアのアパートにはテレビがないぶん、旅先ではCNNなどを付けっぱなしにしてしまいます。最近のニュースでちょっと心配になるのは、FOXのグレン・ベックなどの右翼トークショーホストが「オバマアメリカを社会主義化しようとしている」だとか、「健康保険法案の真の狙いは政府が国民の生殺与奪権を持つことにある("Death Panel")」などといったデマゴーグがかなり共和党支持者の間に人気があり、そして彼らの言葉を信じる国民がかなり居るということです。今日もオバマ大統領が新学期の開始に合わせて学生に「勉強頑張れ!」という演説をDCの近くの学校で行い、全米の学生に見せたのですが、共和党支持者の一部が「オバマは子供達を洗脳しようとしている」と騒ぎ立て、一部の校区ではスピーチを放映しなかったり、一部の保護者が子供を学校に行かせないようにしたり、学校には親からのクレームの電話が殺到したりと、どうでもいいことがかなりの騒動となっていたのでした。
オバマの健康保険法案も、八月の議会休暇中に議員達が開いた有権者との対話集会に「なぜ "デスパネル" なんか作るんだ!」、「医療の国有化なんて社会主義だ!」、「俺のメディケアに政府が干渉するのはまかりならん!*1と怒り狂った有権者が押し寄せ、それをメディアが連日取り上げ、結果としてオバマの健康保険法案は成立が怪しくなってきています(明日、形勢逆転を狙って上院・下院合同の場で健康保険について演説をすることになっています)。
少し文字が読めればデマだと分かりそうな話しを本当に信じる狂信的な人々の声が大きいので、アメリカ政治はこれからどうなるのかと心配になる次第です。

*1:「メディケア」は退職者向け公的健康保険でそもそもが政府のプログラムです・・・。