Tallis Scholars

研究所の親友、柏寛に誘われ、フィレンツェ大聖堂で行われた合唱コンサートを聴きに行ってきました。

http://www.thetallisscholars.co.uk

友人によるとかなり有名な聖歌専門の合唱団らしいのですが、素晴らしい演奏でした。声もぴったり合っているし、ハーモニーも抜群です。でも、一番の驚きはフィレンツェ大聖堂の音響。残響がだいたい七、八秒も続くという環境なので、聖歌の荘厳さを示すのには素晴らしいホールなのですけど、実際に歌うとなると多分かなりやりにくいはず。日本ではフィレンツェ大聖堂のような天井の高い石造りのホールで行われるコンサートにあまり参加したことがないのですが(目白のホールぐらい)、教会音楽が盛んなヨーロッパの文脈ではそれほど取立てて驚くことではないのかもしれません。
それから、この合唱団は中世のポリフォニー音楽が専門の合唱団のようなのですが、アンコールまで中世音楽でちょっと飽きがきた感も無きにしも非ず。どうしてもドラマ性が乏しくなるので、どの曲も同じに聴こえてくるという面があるのです。アンコールぐらい、ポップな曲か、せめてバーバーの「アーニュスデイ」などやると良かったのにと思う次第です。贅沢な注文ではありますが、自分にはどうしてもロマン派以降の曲が少しは必要なようです。