総選挙・自民党圧勝

thieda2005-09-12

あまりの衝撃に言葉もありません。今日の朝、PCを立ち上げてネットニュースを見たら、「自民党圧勝、自公で3分の2」とでてたことです。午前中はショックで何も手がつきませんでした(というのは大げさですが・・・)。
アメリカで朝日・読売・毎日のネット新聞を読んでいた限りでは、小泉・自民党になぜこれだけの人が投票したのか理解できません。現在の郵政公社と大して変わらない株式会社をつくる「郵政民営化法案への是非」が「郵政改革への是非」となり、それがさらに「改革への是非」に刷りかえられているというのは(右と左の)大新聞が繰り返し指摘していたことです。日本では一体何が起こってたのですか???
今回の選挙結果の要因分析については投票行動の専門家が精緻な分析をされると思いますので、それを待つことにします。それにしても小選挙区制度におけるフレーミングの影響力がここまで大きいとは・・・。
最後に政治経済的観点から一言。戦後の自民党政治は都市のブルジョアジー+旧中間階級(自営業など)と地方の農民階級+名望家層の階級連合を基礎にした政党でした。そして、太平洋ベルト地帯で生産した付加価値を、中選挙区制がもたらす同一政党内候補者の選挙区内競争と定数不均衡を媒介に、地方に富を再分配することで社会的安定を保ってきました。それが、少子高齢化・過疎化というデモグラフィックな要因か、脱工業化による低経済成長か、はたまた選挙制度の変更からか、近年その支持基盤である階級連合にほころびがはっきりと見え始めてきました。小泉・自民党はそこを見切って、地方の支持基盤を捨て去って、都市の保守・無党派層(+創価学会)にその基盤を移したようです。では、選挙のたびに「風」を起こして、都市住民から支持を得て政権を永久に維持することは可能か?支持政党を持たないという「無党派層」の定義からしてそれは不可能でしょう。今回の現象と逆の現象が生じることが簡単に予想できます(前回の「マニフェスト選挙」を想起せよ)。問題は政策的優遇を失った地方が今後も「経路依存性」で自民党を支持し続けるのか、それとも民主党が疲弊する地方の声を掬い上げることができるのかにかかっています。そして、今回民主党は首都圏・近畿圏の小選挙区では壊滅的でしたが、意外にも地方の一区(九州など)で健闘しているというのが、(ほんの少しだけ)希望を見出せる点です。