日本語文法

いつも授業で提出するペーパーの添削をお願いしている図書館のライティング・センターのカウンセラーからメールが来ました。内容は「日本語では文頭に"トピック"と呼ばれるものを置くらしいが、どうやってそれを認識するのか、また日本語では何と呼ぶのか」という質問メールです。「お世話になっているので仕方ない」とネットを検索すると、日本語の「は」のことを言っていることが分かりました。
調べてみると面白いですね。日本語の助詞「は」は、日本語教育の世界では"topic marker"(提題助詞)と呼ばれ、主語ではなくその文のトピックを示すのだとそうです。
例えば、
「田中君はお茶を飲みました。」
だと、トピックと主語が一致しているので「主語+は」の形になります。
でも、「お茶は田中君が飲みました。」だと、お茶はこの文の目的語であって主語は田中君になります。このとき、「お茶(目的語)+は」はトピックを示し、「田中君(主語)+が」は主語を示しているのです。「は」と「が」の違い、面白いですね。でも、これを英語のメールで説明するのは骨が折れましたが・・・。

カウンセラーが悩んでいたのは、日本人の多くが「は」は主語を示すと勘違いして、日本語で「トピック+は」を主語にしてしまうことでした。確かに、
A: 昨日は何をしたの?(What did you do yesterday?)
B: 昨日は野球をしたよ。(I played baseball yesterday.)
という場合、Yesterdayという副詞を主語にして"Yesterday is..."とやってしまいそうになりますね。特に会話の場合。