Moore(1966)
Social Origins of Dictatorship and Democracy: Lord and Peasant in the Making of the Modern World
- 作者: Barrington Moore
- 出版社/メーカー: Beacon Press
- 発売日: 1993/09/01
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近代化の過程で、自由民主主義、ファシズム、左翼独裁と、その経路に違いがでるのはなぜか?
[方法]イギリス、フランス、アメリカ、中国、日本、インド(+ドイツ、ロシア)をケースにした、比較歴史分析。
[議論]
分析の基盤を社会階級に置き、小作農階級(Peasant)が近代化の経路に重要な影響を与えていることを明らかにしている。すなわち、農業の商品経済化とブルジョア革命によって土地貴族の影響力が衰えた国では自由民主主義が展開し(イギリス・フランス・アメリカ)、伝統的な土地貴族が工業化の過程でその勢力を維持し、結局は土地貴族とブルジョアジーの階級連合が形成される「上からの革命」が生じた国はファシズムに陥り(日本・ドイツ)、ブルジョア革命が生じず、「小作農革命」によって伝統的エリート層が一掃された国は左翼独裁(中国・ロシア)となるということ。近代化の過程ではどの国も同じ経路を辿ると想定した近代化論に対する批判。
[論点]