Choeur de Chambre Accentus

thieda2008-02-18

ペルゴラ通りにあるテアトロにAccentusを聞きに行ってきました。
http://www.accentus.asso.fr/intro.html
この合唱団はフランスのプロの合唱団で、直接生で聞いたことはないのに、僕にとって思い出に残っている合唱団です。大学の学部時代に所属していた大学合唱団で執行学年の三年次に取り上げたのがフランスの作曲家・プーランクが書いた「クリスマスのための四つのモテット」でした。CDを持っていたので自分が提案したのか、それともこの曲をやることに決まったのでCDを買ったのか忘れましたが、この曲を所収したAccentusのCDを繰り返し聞いていたことを憶えています。そして、そのフランスのエスプリを醸しだすその洒落た演奏に驚愕したことも。*1
もちろん、そのCDは自分のお気に入りだったのですが、その後、友人達に「これはスゴイよ!」と勧めて貸し出すうちにどこかへ消えてしまったのでした。HMVやタワーレコードで探し直したものの見つからず、違うプーランクの宗教曲集のCDを買ったのですが、Accentusには及びもつかず(ダサダサな演奏だったので)、この合唱団のことだけは印象に残っていました。
さて、先週突然、EUIの友人からペルゴラ劇場の今週の予定がメールで送られて来て、そこに"Choeur de Chambre Accentus"とあるではありませんか!これは行かずには居られないということで、大学経由でチケットを予約し、日曜の夜に劇場に赴いたのでした。しかし、勇んで行ったのものの、ボローディン弦楽四重奏団のときは立ち見まででた客席は結構まばら。やっぱり、ヨーロッパでも合唱はマイナーなのですね(涙)。ちなみに、曲目はこちら。

  • A. BRUCKNER: Vexilla Regis; Os justi; Christus factus est; Ave Maria; Virga Jesse floruit.
  • O. MESSIAEN: O Sacrum Convivium.
  • S. BARBER: Agnus Dei. R.
  • WAGNER/ F. KRAWCZYK: Im Treibhaus, Porazzi Thema, Traüme (dai Wesendonk-Lieder).
  • R. WAGNER/G. PESSON: Idillio di Sigfrido
  • アンコール:ブラームスの何か。

聞きに行った感想を一言でいえば、「ヨーロッパに来て良かった!」というもの。声も、アンサンブルももちろん素晴らしいし、人数以上に分厚いハーモニーを聴かせてくれました。ブルックナーは、合唱団の出来自体は素晴らしかったものの、曲自体を自分が好きではないためかあまり感動しなかったのですが、メシアンは鳥肌立ちまくりの演奏で感動でした。バーバーの「Agnus Dei」は、実は、大学合唱団で先述のプーランクをやったときに一緒にやった曲という不思議な巡り合わせ。ただ、演奏自体は自分がやったときのもっとダイナミックな作りに比べてかなりあっさり目だったので、何だか拍子抜け。殊色だったのがワーグナー。多分、編曲なんでしょうが、それが非常に面白く、団員一人一人の力量も見ることができて良かったです。メシアンの出来からして、やはりこの合唱団はフランス現代物が得意なのでしょうね。もっとフランス物を聞きたかったなー。フランスに聞きに行くしかない!?
蛇足ですが、舞台上で合唱団員が頻繁にイヤホンを耳に当てて、ピッチメーカーのような機械で音をとっているようでした。演奏中もやっていましたが、日本のコンクールでこれをやるとカンニングといわれるでしょうかね?

*1:それもそのはずで、さきほど調べてみたら、彼らはこのCDでフランスで賞を取っているのですね。ホント、素晴らしかった。