船曳建夫『大学のエスノグラフィティ』

大学のエスノグラフィティ

大学のエスノグラフィティ

『知の技法』で著名な東京大学大学院総合文化教授が、東京大学教養学部の様子を文化人類学的に叙述した本。ゼミナール、大学教官の仕事・キャリア、組織としての大学という三つのパートから構成され、それぞれを淡々と記述している。私のように大学に長く在籍する者には「そうそう!」と肯く記述が多いが、おそらく大学外の人が読めば一般のイメージと異なる大学教師像が得られるのではないだろうか。
セクハラ・パワハラの苦労の話は興味深く読めた。恐らく、他人事ではないだろう。