Two Days in Paris

「パリのウッディー・アレン」と賞賛される女優/映画監督ジュリー・デルピーの新作『パリ、恋人たちの2日間』を札幌の小品劇場「シアターキノ」に観にいって来ました。公式サイトは↓。
http://www.paris-2days.com/
面白かったです。(ちょっとお下品だけど)都会的な会話で構成されたつくりで、そのウィットに爆笑はしないものの、常にニヤッとさせられます。話の筋としてはフランス人写真家のマリオンとアメリカ人インテリアデザイナーのジャックが、イタリア旅行の帰りに彼女の実家のあるパリに立ち寄った二日間を描くというものです。アメリカには「ヨーロッパ人は恋愛・性愛において『進んでる』」というステレオタイプがあるのですが、それを上手く使って、次々と現われるマリオンの元カレに嫉妬の妄想を膨らませるジャックとマリオンとの葛藤が話の軸になります。面白いという感じられる映画になっているのは、慣れないフランスの食生活、英語を話さないフランス人といったカルチャーショックに振り回されるアメリカ人を、ありがちなアメリカ映画とは逆に、フランス人(デルピー)の視点から見ている点でしょう。
ジャック役のアダム・ゴールドバーグは『フレンズ』でのサイコなルームメイト役や、『10日間で男を上手に振られる方法』の脇役で知っていましたが、いつも通り神経質な男の役を楽しんで演じているようでした。でも、やっぱり出色なのはデルピーで、彼女はこの映画では主演・監督のみならず、脚本、編集、それに音楽まで担当したのだとか。マルチな人ですね。あと、映画の中の彼女の風変わりな両親役は実際に彼女の両親が演じています。お父さんが特にいい味だしてます。ちなみに、ジュリー・デルピーとアダム・ゴールドバーグは昔ベッドを共にしたことがあるのだと映画館に貼ってあったインタビュー記事でデルピーが告白していました。その影響はわかりませんが、二人のアンサンブルは見事でした。