イタリア就職事情
イタリア人の友人とのランチでの会話から。
EUIの卒業生のイタリア人研究者は、国外では比較的容易に大学・研究機関に就職先が見つかるのに、イタリア国内では就職が難しいと学長が言っていたので、イタリアの就職事情を聞いてみました。友人の話によると、イタリアでは大学院生が学部、修士、博士と一つの大学で「シニオリティ」を積み、その大学が他の大学に年功順に滞留している院生を就職させるので、EUIや他国の博士号取得者は歓迎されないのだそうです。それは溜まっている院生の就職の「流れ」を邪魔してしまうからです。いやー、徒弟制ですね。
さらに話を聞いてみると、各大学の就職には各学問の学会が「承認権」を持っているのだとか。だから、イタリアでは Persson & Tabellini (2003) のような政治経済学を政治学講座の教授にどこかの大学が招こうとしたとき政治学会が拒否したのだとか。そんなわけで、政治経済学はイタリアでは経済学部にしか存在できないのだと言っていました。ギルドですねー。
The Economic Effects of Constitutions (Munich Lectures)
- 作者: Torsten Persson,Guido Tabellini
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2003/09/15
- メディア: ハードカバー
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