ボストン・リーガル

最近はまっているのが、アメリカABCのドラマ『Boston Legal』。もうテレビ放映は終わってしまったのですが、『アリー・My Love』の製作者である David Kelley が製作総指揮を務める弁護士コメディです。主役のエキセントリックだけれど辣腕の弁護士役に James Spader 、事務所の創始者でかつての豪腕弁護士でいまはかてのエゴだけを残す愛嬌ある老弁護士役にスタートレックの艦長で有名な William Shatner 、ドラマの中では風変わりな弁護士や依頼人が多数登場するのでその突っ込みとでもいうべき役に『マーフィー・ブラウン』の Candice Bergen 、という豪華な顔ぶれ。ジェームズ・スペイダーは "Sex, Lies and Video tape," "Crash," "Secretary" など変わった性癖を持つ優男役で有名ですが、映画に出ていた頃に比べてやたら太ったことに驚き。Alec Baldwin など、アメリカでは太るとテレビに移るのでしょうか。
さて、内容はというと、"Alley Mcbeal" とほとんど同じ筋をたどるもので、ボストンの最高ランクの法律事務所に集う風変わりな弁護士たちのところに、これまた風変わりな依頼人たちがとんでもない事案を持ち込み、法廷で検事や弁護士と論戦を戦わせて陪審員の支持を勝ち取るというお話。ただ、『アリー』よりも芸達者な役者が揃っているのと、脇役の弁護士たちが結構ころころ替わるので、『アリー』よりも常連の弁護士たちの恋愛のプロットは若干弱めかも。
なぜアメリカの法廷物が面白いかというと、雄弁家(詭弁家??)が尊ばれる文化が背景にあるので、法廷弁護士物というのはそうした「黒を白と言いくるめる」文化の粋を集めたところがあるんですよね。最終弁論など、本当に見ていて気持ちがよいのです。また、中絶、同性愛、人種差別、といったアメリカ社会のホットなイシューも論争的な形でドラマのなかで提示されるのも、アメリカの論点を知るのに勉強になります。

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