警報システム

日本人の持つスウェーデン観では、スウェーデンは「安心社会」といったようなイメージがありますが、実際にはストックホルムの人々はそれほど信頼しあっているわけではないようで、通りのどの商店も、ビルのどのフロアも、警備会社直通のセキュリティシステムを持っています。ドアの内側に格子状の扉を置き、不審者がドアや窓から侵入しようとすると警報装置が鳴り響いて警備員が駆けつけるというわけです。
現在滞在中の研究所も当然そうした警報システムを備えていて、最後に研究所を出る人は格子状のドアを閉め、暗証番号を入れて警報システムをオンにしてから出なければいけません。僕はどうもこの警報システムと相性が悪いようで、前回最後の一人となったときは総務のおばさんに「9時以降は自動的にシステムが作動するので、暗証番号を入れなくても良いから、ただ格子戸を閉めて」といわれたとおりにしたにもかかわらず、誰かの部屋の窓が開いていたようで警備員がチェックに駆けつけてしまいました。そんなわけで他の研究員と同じように暗証番号をもらい、システムの入れ方を教えてもらったのでした。
警報システムの切り方を学んだので、昨日の日曜日に論文を書き進めようと研究所へ出所し、無事に警報装置を遮断し一日を研究所で過ごし、警報装置を作動させて家路につくことに。ところが、手順に従って暗証番号を入れたところ、アラームが鳴り響き気が動転。問題がないのにアラームが鳴ったときは警備員が来ないで済むように警備会社に電話することと言われていたので電話したところ、「あなたの名前がリストに登録されていないので手助けできない」といわれ、途方に暮れてしまいました。その後、たまたま研究所に顔を出した研究員に助けてもらいながら、総務のおばさんに電話し、警備会社には彼女から電話してもらうことにし、アラームシステムはその研究員に作動させてもらって何とか研究所から脱出したのでした。
翌日に話を聞いても、手順は間違っていないらしく、どうやら警報装置を作動させるとアラームがしばらく鳴るようです。でも、以前に他の人が作動させるのを見たときに聞いた警報音と全然違ったのですが・・・。それから、警備会社のリストには僕の名前は確実にあるにもかかわらず、「ない!」といわれたのはいまだ謎だそうです。とにかく、今後は最後の一人にならないように早く帰ります。でも、六時代にはもう誰もいなくなっちゃうんだよなーーー。