本日は社交の日

 午前中に研究所に着くとメールがあり、「お昼どう?」とスウェーデン人の友人からランチのお誘いが。彼とは福祉国家研究仲間なのですが、前の学期は彼がスウェーデンに滞在していてほとんど接触がなかったので積もる話がお互いあったのです。で、「最近どう?」と話していると、サーブの車を買ってフィレンツェで乗り回しているとのこと。サーブは流線型ボディとターボエンジンで一世を風靡したスウェーデンの有名な車メーカーなのですが、所有していたGMの破綻に伴い売りに出されたものの良い買い手がつかず、結局、解体ということになりそうです。友人は「最後のサーブ車の買い手だ」と自嘲気味に話していましたが、ボルボといい、サーブといい、スウェーデンの車産業は衰亡の危機です。そして、話しは博士論文後の就職の話題へ。話を聞くと、スウェーデンポスドクや研究助成金などは潤沢らしいのですが、大学講師などのテニュア職はかなり限られているらしく、World Politics 他メジャー誌で何本も論文を出版し、Oxford UPから博論を出版している人でさえ六、七年ポスドクをやってようやく就職が決まったとか。どこの国も厳しいです。

 夕方は今週末に訪問研究員としてバークリーへ旅立つ友人と最後のお茶。彼とは最初のイタリア語講座で親しくなった友人で、いつも一緒にランチを食べていた仲間でした。彼と歴史学部の仲間との間の「ヒストリオグラフィー」に関する議論はついていくのが大変でしたが、いなくなると寂しくなります。「次はスウェーデンか日本で会おう!」と約束してお別れしたのでした。