ブルックナー「ミサ ニ短調」

 木曜の夜から金曜日にかけて、ストックホルムは大雪でした。二十センチ近く積もったのではないかと。お陰で、金曜朝はバスが全面運休、地下鉄にも遅れが生じる状態でした。

 そんななかでも、世界的に有名なスウェーデン放送合唱団のコンサートがあるということで、ストックホルム中心部からは東にあるホールへ行ってきました。いつもはバスを使えば10分程度の場所ですが、バスの運行の見込みが立たなかったので少し離れた地下鉄駅まで行き、そこから歩くことに。十五分ほどでつくはずがなかなかホールが見えてこないので近くのバス停で地図を確認すると、歩くべき通り名は合っていたものの、そこを思いっきり早足で真逆に直進していました(汗)。道理でつかないはずだ。
 コンサート開始まであと十五分と時間が迫り、もと来た道を走って走って、なんとかセーフ。しかし、お目当てのミサ曲はインタミの後だったので別に走らなくても良かったのでした。

 さて、演奏はというと、以前に同じホールで聴いたスウェーデン放送合唱団の演奏した曲はアカペラで、そろった声による透き通ったハーモニーが印象的だったのですが、今回はスウェーデン放送交響楽団との演奏ということでオケに負けじとものすごい音圧でした。ビブラートのない直線的な声はそのままでしたが、一人一人が歌える合唱団が本気を出すと驚きのボリュームになるんですね。
 しかし、コンサート自体は事故満載で、練習不足からか曲の入りがなかなか全員で入れなかったり、トロンボーンが大事なソロで吹かしたり、「サンクトゥス」の中のサンクトゥスからベネディクトゥスの下りに移る全体休符のところでお客がもの凄いくしゃみをしてしまい演奏自体が数秒止まったり、と散々。さらには、最後の「アーニュスデイ」で一人の合唱団員が貧血をおこしたのか座り込み、それにつられたのかもう一人もその場にへたり込む始末。大雪の影響でしょうか。