珍風景

 午前中、日課となっている公園への散歩で、遊具置場を見ると小さな女の子の乳児を胸に抱えてベンチで日向ぼっこをしながらうたた寝をしているお父さんを発見。こちらもベビーカーから息子を降ろし、滑り台や木馬で遊ばせます。他に先客はいなかったので、傍からみれば二組の父子が平日の昼間に公園で遊んでいるわけで、非常に珍しい光景だったことでしょう。ただならぬ妖気を感じたからか、子連れのママさん方は遊具置場には近づいてきませんでした。
 さて、その親子連れの片割れである女の子というのは五か月ぐらいにみえる小さな乳児だったので、「夜中の授乳に疲れたお母さんに『お願いだから子供を連れて外に出て、しばらく独りにして!!』とか懇願されて出てきたのかなぁ」などと妄想しながら息子を遊ばせていました。そして、うたた寝中の親子を起こしては可哀そうだと思い、早めに遊びを切り上げて帰ったのですが、帰路の途中に公園の遊具置場を振り返ると、その小さな赤ちゃんがつかつかと歩いて滑り台の一部の段を登っているではありませんか。身体は息子よりずっと小さいのにもう立って歩いている姿を見て、「負、負けた・・・」と一人打ちひしがれて帰宅したのでした。

 夕方帰ってきた妻にこの話をしたところ、「負けてないわよ、うちの子のほうが体も大きいし、勝ってるのよ!」と力説され、妙に納得したのでした。