"The Structure of Scientific Revolutions"

thieda2005-08-20

The Structure of Scientific Revolutions

The Structure of Scientific Revolutions

これも政治学のイントロの授業の課題図書ということで大まかに(最初の方と最後の方だけ)読んでみました。英語はぐちゃぐちゃにこねくり回されていて理解しにくいし、科学の用語ばかりで読みずらいしで、多分セミナー中に精読することは無いと思います。その労力は他の文献へ。
担当教授が何を意図してこの本を読ませるのか不明ですが、恐らく終章(XIII. Progress through Revolutions)で議論されている、「何故自然科学においてのみパラダイムパラダイム転換が成立するのか」という点を深めて、「社会科学(or政治学)にパラダイムは存在しうるのか」、「社会科学における進歩とは何か」を議論するのでしょう。そして、科学の進歩を支配的パラダイムが転換を繰り返していく過程ととらえるクーンの次のコメントも社会科学に当てはめて考えたとき面白いかもしれません

"We may, to be more precise, have to relinquish the notion, explicit or implicit, that changes of paradigm carry scientists and those who learn from them closer and closer to the truth."

それにしても、いしいひさいちのクーン評価は極めて的を得ていると勝手に思いこんでいます。

現代思想の遭難者たち

現代思想の遭難者たち

[追記]
田村−山田論争(?)を興味深く読みました。しいて言えば、田村さんがクーン的で山田さんがポパー的といえるでしょうか。僕もこれからはじまる授業でこのような議論をしたいものの、英語力の問題がなぁ。"I think Political Science is interpretive project!"と言うぐらいが限界です。
それにしても、ポパーも読まなきゃいけないようです。