コメント

今日はスタインモ先生が日本の政治経済について書いた論文に私がつけたコメントについて、先生をオフィスアワーの時間に訪ねて話してきました。
どういう風に書こうかちょっと迷ったのですが、結局、結構辛口に書いてしまいました*1。例えば、「本全体の枠組みが分からない」、「説明概念として使っている○○はレトリックに過ぎない」、「説明変数が多すぎて因果関係の議論が曖昧になっている」等々・・・。今回のコメント付けは先生に提出する初めての課題のようなものだったので、第一印象を「なかなかやるな」と思わせたかったのです。
先生はコメントを大変に気に入ってくれました。もちろん、日本政治の細かな点についての理解や、日本人で現代日本政治学に詳しくないと気づかない誤記などについてのコメントも助けになったと思いますが、本全体の議論を問おうという姿勢が好ましかったようです。ちょっときつめの表現が丁度良いくらいのようですね。
そして、「なぜ日本が特殊である点を執拗に繰り返すのか理解できない」とコメントしていたため、今日は日本が特殊かどうかの議論になりました。先生は東大社研の客員教授として日本に来たとき、「携帯電話で話しているのに、ひたすらお辞儀しながら話をする日本人」が極めて印象的だったようです。私自身は「日本は極めて特徴的な国だが、様々な制度が特殊なのであって、日本人は他の先進国の人間と似たようなものだ」と考えていますが、日本人だと逆に日本の特殊性が見えないのかもしれませんね。とりあえず、今日は「日本の右派と左派の社会科学者は日本特殊論に賛成だと思いますよ」と答えておきました。

*1:「辛口」以外の書き方を知らないという話もあります・・・。