セミナー

thieda2006-04-08

今日はハーバード政治学部からJeffry A. Frieden教授がCUにきていたので、セミナーが開かれました。内容は「外国為替レートの政治経済学」ということで、国際政治経済学の説明対象として外国為替レートがいかに面白いかを語っていました。Frieden先生によると、外国為替レートに関する経済学の研究は多数あるものの、政治経済学による研究はほとんどないそうです。でも、国際政治経済学の分野で研究蓄積の厚い貿易政策よりも、外国為替レートのほうがよほど政治的なのだそうです。というのも、貿易政策は自由貿易が国民の経済厚生を最大化するという答えが決まった上でそれを阻害している政治的要因を探るという形になる一方、外国為替レートには答えはないからです。輸出セクターは為替切り下げ and/or 固定相場をのぞむ一方、輸入セクターにとっては相場は高いほうが購買力が上がるわけで望ましいのです。そして、各セクターの利害に規定された利益団体がからむ政治過程や、相場が高いほうが実質所得が向上する一般有権者が重要となる選挙が、為替相場に影響をしているそうです。
政治経済学にはまだまだとかれていないパズルがたくさんありそうですね。