ハイテクの功罪

CUでは学生が授業で書くペーパーでの剽窃対策として、turnitin.comというサイトと契約しています。そのサイトに学生から提出された電子ファイルをアップロードすると、ウェブ上の文書類から、過去にturnitin.comにアップロードされたペーパーまで、様々な電子ファイルと対照させて、一致する部分を表示させるという優れものです。
先学期にTAをしたクラスでこのサイトを使っていたのですが、今日突然他のクラスの講師からturnitin.com経由で「あなたのクラスに提出されたペーパーと100%一致するペーパーが○○○○さんから提出されたのですが、そのペーパーを閲覧してもよいですか?」という問い合わせメールが来ました。「また、剽窃か」と思い、何の気なしに「どうぞ。」と返信すると、すぐに「このペーパーは本当にあなたのクラスに提出されたものでしょうか。もしそうだとしたら、○○○○には失望します。確認いただけますか。」と再度メールが。そして、確認しようとようやく真剣にturnitin.comから来たメールを読み返してみると、「先学期の授業でturnitin.comにアップロードされたペーパー」とやらの日付が「2007年4月22日」と一昨日の日付になっているではありませんか。しかも、内容も先学期の国際関係入門で習ったこととかなり被るものの、その学生が自分のクラスで書いたペーパーの内容とは全く異なるものでした。どうやら、今学期の授業で提出する前に、先学期に割り振られたアカウントで試しにturnitin.comにアップロードしてみたら、講師に提出したペーパーがそれに一致してしまったようです。
しっかりと授業の課題に取り組む学生だったので剽窃で落第にさせられたりしなくて良かったと思うものの、インターネットからコピペしたペーパーが増え、その対策としてturnitin.comのようなツールが開発され、そのイタチごっこの結果、全体としては手間だけが増えているような気がします。手書きの頃は本からの「丸写し」でも、先生方は学生に写経させるような感覚で見逃してくれていたように思うのですけどね。