山場を越えて

thieda2007-11-16

風邪のほうは、喉の痛みはひいたものの、まだ鼻水が止まらず、本調子とは言えません。風邪の直りが悪いのは、歳のせいか、日ごろの不摂生のせいか、気候のせいか、何なのか。鼻のかみすぎで鼻の下がヒリヒリします。
そんな中、木曜日は週の山場ということで、セミナー二つに加え、一つのセミナーではジェンダーについてプレゼンテーションと、大忙しでした。朝一の社会学セミナーでの発表だったのですが、プレゼン自体はそこそこ巧くいき、提起したディスカッション用の論点も議論を促したようで、とりあえず一安心。しかし、ジェンダー・イシューにセンシティブな優秀な院生と、ヨーロッパ社会学の大御所を前にして、「近代化」、「都市化」、「家父長制」、「国家家父長制」といった社会学用語を不用意に用いてはいけません。予想通り、温厚な教授に突っ込まれてしまいました。ただ、自分ではうまく答えられなかったにもかかわらず、他の院生が代わりに答えてくれたり、助け舟を出してくれたお陰でどうにか切り抜けられました。いつも自分の存在を無視する女の子に「発表良かったわよ」と声かけられたのは、刺激的なプレゼンをできた証しでしょう*1
福祉国家ジェンダーを扱う論文を読んでいていつも思うのは、エスピン・アンデルセンの論考は非常に穴が多いにもかかわらず、フェミニスト福祉国家論者の研究は、彼を批判しつつ、結局彼の類型論の枠組みにかなり制約されているなということです。大風呂敷は広げたもん勝ちということでしょうか。

Why We Need a New Welfare State

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  • 作者: Gosta Esping-Andersen,Duncan Gallie,Anton Hemerijck,John Myles
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  • 発売日: 2002/10/24
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*1:今日は院生代表委員の選挙があったのですが、与えられた四票のうち一票をこの子に投じてしまいました。