オペラ

Strauss, R: Electra

Strauss, R: Electra

EUIの教授・ポスドク・院生は、劇場との契約で、本来は26歳以下までの学生チケット(10ユーロ)を買えることになりました。そこで、小澤征爾フィオレンティーナオケを振りに来るということもあり、『エレクトラ』を聴きに行ってきました。これは精神分析用語の「エレクトラ・コンプレックス」の元となったギリシャ悲劇を、リヒャルト・シュトラウスがオペラに作曲したものです。多分、オペラ初心者の自分には、現代曲のこれよりは、その前にやっていた『蝶々夫人』のほうがよかったのでしょうが、こちらが面白そうだったので。
さて、座席は一番上階(4階??)だったものの、自分の前には座席が一列しかなく、オケピットも舞台もはっきりと見えて、10ユーロの割には良い席でした。演出は、「東京オペラの森」のそれをそのままフィレンツェに持ってきたようですが、なかなか奇抜でびっくり。まず、一面に砂が撒かれ、三方をコンクリ風の壁に囲まれ、真ん中に墓穴風の穴が置かれたものが舞台。そこを主役のエレクトラはじめみな黒ずくめの歌い手達が動き回るのですが、黒ワンピースの女性合唱隊が砂の上を走り回ったり、転げまわったりと、前衛芸術的な演出でした。ウィキピディアで予習していったのでエレクトラによる復讐劇だとは分かっていたものの、問題は歌がドイツ語で字幕がイタリア語*1ということ。話の筋が追えずなんだかさっぱりというところに、さらに追い討ちをかけるのがシュトラウスの音楽。メロディーだか何だかで、さらに理解を難しくしています。そして、その難しい話・音楽が2時間休憩なしで続くという・・・(一幕劇なので)。うーん、難しい。
小澤先生は昨年、体調を崩されて休まれていたと聞いていたので心配していましたが、エネルギッシュに二時間に渡って暗譜で指揮を振られていました。フィオレンティーナのオケはあまり上手くないと友人から聞いていたのでどうなるかと思っていたものの、自分がオケの良し悪しが分からないということもあり、別段問題なく。ただ、ピアノで歌が聞こえなくなるほどデカくなるというのと、フォルテッシモで音が割れるというのは頂けないですね。
そんなこんなで、良い時間を過ごせたので、またオペラ劇場に足を運んでみたいと思います。

*1:当たり前ですが。。。