イタリアって・・・③

研究所の合唱団では小さなオペラを明日公演します。合唱団からソリストを出し、研究所の院生で弦楽器のできる人と指揮者の知り合いの音楽家とで小編成のオケを組んで演奏する予定です。イタリア人の指揮者は契約時間外に予定を組んでヴォランティアでソリストの指導をするという熱血ぶりです。ここまでは良い話。
しかし、コンサートの運営という点では驚くことばかり。まず、コンサートの日程を数週間前まで決めない。そして、決めてからすぐ変える。例えば、最初は先週の土曜日にコンサートをやる予定だったのに、僕が「土曜日は学会でフィレンツェにいないから歌えなくて残念」といったら今週の木曜日に変わるという感じ。また、"Dido & Aenias"というオペラをやるのにタイトルロールのエーニアスを一週間前まで決めなくて全然平気。あり得ない・・・。
弦楽も基本的には素人なのに、前日に一回合わせただけで、当日にリハなしで演奏しようという無謀さです。案の定、今日の前日リハーサルではソロもオケもタイミングがつかめず止りまくり、合唱団のほうも入り音がイマイチで、明日に(巨大な)不安を残しました。
合唱団のエストニア人夫婦*1とランチを食べながら、「日本でこんなことあり得る?あり得ないでしょう。エストニアでもあり得ない!」とため息をついていました。融通はきかないけど一度決めたら予定通りに事が運ぶ日本の官僚方式が恋しいです。

*1:さすが合唱の盛んな国だけあって、二人とも上手で、オペラでは主役級を歌います。