ディフェンス

今日は友人の博士論文ディフェンスの予行演習二連荘でした。まずは午前中に同じアパートに住む台湾人研究員のWTO関連の国際法の博士論文のプレゼンテーション。とにかく専門分野が大きく異なるので、何が議論なのかさっぱり分かりませんでしたが、やはりアジア人は英語に訛りがあるのでパワーポイントなどのヴィジュアルエイドを活用する必要があるなというのが実感。"Trade dispute" が "tri-dispute" と聞こえて「何の三者紛争なんだ?」とプレゼン中に悩んでしまいました。でも、法学部ではパワポはあまり使われないようで、強く勧めたにもかかわらず「使おうかどうしようか・・」と悩んでおりました。それから、法学系の博士論文では文献レビューをして自分の議論の新規性を主張するということはあまりされないらしく、ビックリ。ディシプリン毎にいろいろです。
第二弾は福祉国家研究会の友人のドイツ労使関係100年史で、こちらは強いオーストリアアクセントがあったものの、パワポを使って議論の流れをクリアにしていたので理解しやすいプレゼンでした。ただし、研究の内容自体にはかなり突っ込まれていましたが。。。でも、論争のターゲットがはっきりしていたので分かりやすく、明日のディフェンスは大丈夫でしょう。
それにしても、研究の付加価値を明確にしつつ、隙のない博士論文を書くというのは大変なことです。学界の議論への貢献を明確にするには説明変数を単純化して明確にする必要があるものの、逆に単純化した議論は突っ込みどころ満載となり、突っ込まれまいとあらゆる理論を折衷した議論は攻撃されないものの、理論が明確ではなくなり誰にも引用されないというパラドックスがあるからです。