福祉国家研究会

二週に一回開かれる福祉国家研究会の今期第二回目の例会ということで、今回は報告もないので気楽に参加してきました。

報告は「東ヨーロッパ旧共産圏諸国における福祉レジームの展開」といったもので、この地域のことはほとんど知らないので勉強にはなりました。しかし、レジーム類型を提示しながらそれに対する説明モデルがなにもないという、典型的なアドホックなカテゴリー化に終始していたので、「類型自体質的な相違というより一次元での量的な差異に見えるし、それに対する説明が無いですよ」と指摘すると、「ケース志向の質的研究なので、そうした因果関係の説明は念頭に無い。もっと因果関係を説明しようとする変数志向の量的研究と、そうしたことを志向しない質的研究とが、お互いを認め合えると良いのだけど。」と返されてしまいました。いや、「質的研究は因果関係の解明を志向しない」なんて言ったら他の質的研究者に怒られますよ。「質的研究だから・・・」と逃げてはいけません。