未知との遭遇

 学会で来日している友人のポーランド人夫妻が京都に遊びに来るということで、ランチを共にするため、京都駅まで行ってきました。実は、公共の交通機関を使っての遠出というのは、息子が我が家にやってきた三月以来ということで、結構、大変なイベントとなりました。

 まず、遠出中になにが起きても良いように、ミルク(お湯の入った魔法瓶、調乳用水、哺乳瓶、粉ミルクのスティック)の準備、おむつ&おしりふき、着替え、タオル類、おもちゃ、抱っこ紐、水分補給用のお茶などを準備します。もう、これだけでカバンがびっしり。おむつ鞄を肩に背負い、息子をベビーカーに乗せて出発です。

 最初の関門が、京都駅行の高速バスに乗ること。バス停にバスがやってきたので、ベビーカーから息子を降ろして前に抱っこし、空いた右手だけでベビーカーをたたみます。これは前日に練習していたので難なくできました(用意周到なので!)。そして、運転手に声をかけてベビーカーを荷台に乗せてもらうように頼みます。親切な運転手だったので、「荷物も運びますので、乗っていてください」と言われ、一番前の席に腰掛けたところ、ベビーカーとバッグを横に置いてくれました。ありがたいんですけど、これだと降車するときに片手にバッグと息子、片手でベビーカーを持ちながらバス料金を払うかたちになり、大変なんですよね。そういえば、国交省の裁定で最近決着がついた「公共交通機関に乗るときはベビーカーをたたむべきか否か」論争ですが、実感として言えるのは、「たため!」という人は明らかにベビーカーを持って電車・バスに乗った経験はないだろうということです。片手に赤ちゃん、片手にベビーカーなんて無理ですよ。

 さて、京都駅到着後は、息子をベビーカーに乗せ、待ち合わせ場所の「新幹線八条口」を目指します。京都駅の高速バス乗降場と新幹線乗り場は地上で横断歩道でつながっているのではなく、地下の連絡通路でつながっています。当然、エレベーター・エスカレーターがあるわけではないので、ベビーカーごと息子をもって下ったり、上がったり。男の腕力ではなんでもないことですが、女性の細腕だと大変でしょうね。待ち合わせ場所で想定していたところがお互いに違ったりしましたが、無事に会うことができました。

 息子は最初しゃべりかけられたときに「うっ、うっ、・・・」と泣きそうになりましたが、その後は慣れたのか、大人しくしてくれました。ランチは近くのうどん屋初うどんを体験してもらいます。店員さんが気を利かせて子供取り分け用のお椀とフォークを用意してくれましたが、まだ食べられません。でも、こういう準備がどこのお店でもあると外出が気軽にできますね。

 ほぼ同じ年頃の子供を育てている夫婦だったので話も弾みました。彼らの息子さんは生後三カ月のころから水泳を始めたのだとか。うちもやろうかな。彼らは、日本の交通システムの精確性や、外国人旅行者に対する親切な対応に感銘を受けていたようでしたが、ひとつ言われたのが「日本の子供たちはなぜこうもきちんと躾られているのか?」という質問。どうも、彼らの目からすると日本の子供たちは大人しく、よくしつけられているようにみえるそうです。ポーランドやイタリアの子供たちと比べると、ですが。しかし、以前に英語を教えてもらった英国人教師に、「英国ではこどもとお年寄りはディシプリン*1されて大人が自由だが、日本では大人がディシプリンされていてこどもとお年寄りが自由だ」と言われたので、お国柄ごとに結構ちがうのかもしれません。
 
 ランチを終え、新幹線口で彼らを見送り、ふたたびバスで自宅まで帰り、あとはいつも通りの日常に戻りました。息子はバスでも、お店でも泣かず、笑顔いっぱいというわけではありませんでしたが、見知らぬ人々に抱かれても大丈夫だったので、まだ人見知りの段階ではないのかもしれません。疲れた一日だったからか、ぐっすりと就寝中ですzzz。


ポーランド土産の人形を食べて喜ぶ息子。。。 

*1:規律づける・訓練するの意。